試料の状態から探す

同じ物質でも、液体として測るか固体のまま測るかで、準備するものも得られる情報も異なります。試料がどのような状態で、何を知りたいかを整理してから分析法を選びます。

液体・溶液

溶媒に溶けている成分を分離して測る場合はHPLCやGC、イオンの測定にはIC、溶液中の元素にはICPなどが候補になります。ただし、成分の揮発性・電荷・濃度・検出器への応答で適用できる方法は変わります。混濁や析出がある場合は、ろ過・希釈・分解などの前処理が必要なことがあります。

固体・粉末・薄膜

表面形態にはSEM、結晶相にはXRD、官能基の情報にはFTIR、元素組成にはXRFなどを検討します。SEMで形状を観察することとSEM-EDSで元素を調べることは別の測定です。また「表面」という言葉も、どの深さの情報を指すか手法によって違います。

気体・揮発性試料

GC・GC-MSは、適切に気化できる成分の分離や検出で使用されます。採取容器・吸着・濃縮・導入方法が結果に影響するため、試料採取から考えることが重要です。

複合材料・不均一な試料

表面と内部、主成分と微量成分を一つの装置で全て調べられるとは限りません。複数の測定方法を組み合わせる場合もあります。

試料の状態から公開中の機器解説へ

同じ試料でも、調べたいのが成分・元素・結晶相・表面形態・粘度なのかによって適切な方法は変わります。以下は試料に応じて詳細記事へ進むための例で、試料状態だけで適用を保証するものではありません。

  • 溶液中の有機成分:HPLCやLC-MSを検討します。揮発性や熱安定性によってはGCやGC-MSも候補です。
  • 吸光性のある溶液・液体試料:UV-Visで吸光特性や条件を満たす濃度測定を検討します。濁りや共存成分に注意します。
  • 溶液中の金属・無機元素:ICP-OESを候補にします。試料調製、酸・塩濃度、干渉の影響を確認してください。
  • 粉末・結晶性固体:結晶相には粉末XRD、元素組成にはXRF、微細形態にはSEMを検討します。
  • 樹脂・高分子材料:試料と測定方式に応じてGPC/SEC(溶液中の分子サイズによる分離)、粘度計(流動抵抗)、IR/FTIR(官能基・分子振動情報)を使い分けます。

前処理で試料を溶解・分解した場合、元の固体の結晶相や表面状態の情報が保持されないことがあります。破壊してよい試料か、何を残して測りたいかも先に確認してください。

前処理前に確認すること

  • 溶解や抽出で測りたい成分が失われないか。
  • 粉砕や乾燥で材質・結晶状態・揮発成分が変化しないか。
  • 容器やフィルターからの汚染、試料への吸着が起こらないか。
  • 試料を破壊してよいか、再測定が必要か。

試料の形だけでなく「何を測りたいか」から選ぶ場合は分析目的から探す、候補となる測定方法の違いを調べる場合は似た分析機器の違いを比較するをご覧ください。

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